研究の興味

経済学分野
ゲーム理論(Game Theory with Economics)、繰り返しゲーム(Repeated Games)、ネットワークモデルを含む分権型市場均衡(Decentralized Market Equilibrium including Networking models)、戦略型協力ゲーム(Cooperative Strategic Form Games)、数理経済学(Mathematical Economics)

社会学分野
記録の社会学、電子記録と社会、日本におけるモニュメントと社会、デジタル記録の歴史と社会、ゲーム理論の社会学への応用、数理社会学

研究の履歴

Semantic ScholarのOishi Hidetsuguのページ 2022.8.3現在 h-index 1。
2025.8.30現在、事務職員ですが、研究職や大学教員の職は常に探しています。大学、研究機関にかかわらず、ご連絡お待ちしております。模擬授業もご要望があれば行います。

Working Papers

・大石英嗣,2025, 経済学における弾力性の技術的なノート:(1) 弾力性とグラフの傾きの関係(Dec.17.2025)
ミクロ経済学の教科書の変遷について、まとめる中で、弾力性の説明の記述について自分自身混乱があったためにまとめたものです。(1)としているのは、弾力性概念を調べる中で、奥が深いことが分かったため、弾力性の周辺についてまとめる予定のためです。
2025.10.16公表/2025.10.17参考文献・footnoteなど一部修正

・Oishi,H.,2026, Decentralized Exchange Economy with the strategic allocations of initial endowments(Jan.4.2026)
初期配分を戦略型ゲームの戦略とする分権型市場モデルです。本モデルで定義する均衡の存在証明と、グラフ理論でいうところのComplete Graphのケースでは、通常のワルラス均衡の配分が、ある初期配分の戦略の組が存在してepsilon-ナッシュ-ワルラス均衡として実現できることを証明しています。Sympyを使った数値例では、予算制約集合がkinkするケースを含む例の効用の比較をしています。市場構造によって、プレイヤーが様々な役割が変わるモデルとなっており、数値例ではそれがよくわかるようになっています。
2025.8.7公表/2025.8.8一部footnote修正/2026.1.4Rejectされた某雑誌のAnonymous Refereeのコメントを受けて、プログラムだけでなく、計算過程を大幅に追記。

・Oishi,H.,2019, Socially Subjective Equilibrium in Extensive Form Games
博士論文の構成論文の一つを修正したものです。

・Oishi,H.,2013,A Note on alpha/beta-Shapley NTU value in strategic form games
2020にrevise要求ありましたが、モデルの拡張ができずに、次に進めていません。

Publications

学会発表

2004年 日本経済学会秋季大会(岡山大学)/"Socially Subjective Equilibrium in Strategic Form Games"/討論者: 神戸大学 天谷研一氏/ゲーム理論(座長:早稲田大学 船木由喜彦氏)
2001年 日本経済学会秋季大会(一橋大学)/"Rationalized Subjective Equilibria in Repeated Games"/討論者:筑波大学 金子守氏/ゲーム理論II:繰り返しゲーム(座長:京都大学 岡田章氏)
※各氏の所属はそれぞれ当時のものです。

学位論文

On Socially Subjective Equilibrium(社会主観的均衡について):2004.6.17 博士(経済学)/大阪大学

Education

2004,博士(経済学),大阪大学大学院経済学研究科経済理論専攻博士課程修了
Ph.D 2004 Osaka University(its current name is The University of Osaka), Toyonaka, Osaka, Japan
Research Area: Economic Theory and Game Theory

2000,修士(経済学),大阪大学大学院経済学研究科経済理論専攻博士前期課程修了
MA in Economics 2000 Osaka University, Toyonaka, Osaka, Japan
Research Area: Economic Theory and Game Theory

1998,学士(経済学),大阪大学経済学部経済学科卒業
BA in Economics 1998 Osaka University, Toyonaka, Osaka, Japan

所属学会等

American Economic Asscication(2022-) 会費さえ払えば、世界中の誰でも参加できます
一般社団法人ITストラテジスト協会正会員(2022-) 正会員となるはITストラテジスト試験の合格が必要です
(過去に所属していた学会)
The Econometric Society(2025-2026.Jan) 会費さえ払えば、世界中の誰でも参加できます.
日本経済学会 (査読経験なし) 会費+現学会員2名の推薦が必要です
Canadian Economic Association (査読経験あり) 会費さえ払えば、世界中の誰でも参加できます

電車内研究のすすめ(経済学的な人)

以前よりも、非アカデミック環境の人でも、工夫次第で、仕事の昼休みや通勤途中の電車の中で、アカデミックな仕事が可能な環境が整ってきたのでご紹介します。(2025.7.19)
Overleaf
LaTeX環境がクラウド上に構築されております。基本の機能だけであれば、無料で使用できます。複数人で共同研究で使用する場合は有料になるようですが、自分のようにローンウルフ型研究者は無料の範囲で十分です。AIによる添削・文書修正提案を使う場合は別途サブスクの課金が必要です。
Google Schoolar
言わずと知れた、Googleが運営する学術系文献検索サービス。ここで紹介するまでもないのですが、お世話になっているので。JSTORやその他のサービスで論文が見られないと、出版される前のバージョンがPDFで読めたりするので、そういう文献を探すのにも利用させてもらっています。
Mendeley
クラウド上に、無料で文献データを整理できると同時に、自分自身以外に蓄積された文献データをbibtex形式で取りだせます。
ris2bib
オンラインで文献データであるRISデータをbibtexデータに変換してもらえます。googlescholarやmendeleyになく、文献データがRIS形式でしか提供されていない場合は活用できます。
JSTOR
文献提供サービス。PDFをダウンロードするにはサブスクの課金が必要ですが、ネット上で読むだけなら、月間の購読本数に上限はあるものの、無料で読めます。また、文章だけなら、コピペは可能なので、文書中心の論文であれば、体裁に拘らなければ、紙で読むことも可能です。他の論文の参考文献の中身がわからなくて、困ることも多かったので、本当に助かっています。それでも全ての論文をカバーしている訳ではないですし、一部の論文は課金ユーザーしか中身が確認できないものもあります。
Google Colab
クラウド上で、研究を進める環境の一つです。 SymPyというPythonベースの数式処理環境が使用できるのが特徴です。 多くの機能が無償で利用できます。実際このおかげで研究がかなり進みました。 グラフ表示もできます。 課金は、より高度なコンピューター性能を必要とする数式処理を行う方向けのようです。 自分の研究は、今のところ非課金で足りるようです。 Google Driveにファイルを保存するので、クラウド環境をGoogleをメインで使用している方におすすめです。

これまでの研究とこれから


私のデビュー論文は、元々英文で書きあげていた修士論文を修正したゲーム理論の論文で、日本経済学会での学会発表後、最初にCanadian Journal of Economics というカナダの経済学会の雑誌に掲載されました。 その後色々あり、京都大学経済研究所の任期付き常勤講師の職のお話しもありましたが、最終的にそのポストは米国でPh.D.を取得された他の方に決まり、結局大学等への就職も決まらず、かといって、食べていくしかなく、アルバイトで食いつなぎ、研究の道をつなぐ自信もなく、とある組織に就職し、今もそこの一事務職員として働いています。博士号取得は、少しずれてしまい、就職後となりました。

博士号を取得した後、日本経済学会での学会発表をするぐらいのタイミングで、博士論文の構成論文の1本がまた、経済理論系のEconomic Theoryに掲載されることになりました。しかし、その間も大学へ就職するべく応募を何度かするのですが、ついぞ、この20年間で、面接に呼ばれることは一度としてありませんでした。自分の教育歴が無いのと、業績不足の中、難しいとは思っていましたが、"つて"(研究会などに出席してつながりをつくる、という意味で)が無いというのは、これほどまでとは思っていませんでした。

50歳を過ぎて、もはや新たに研究職を得るというのは現実的ではなく、何ものからも自由で、自由気ままに好きな研究ができればと思っています。その意味で、この20年間、自分を振りかえると、自分が研究したかったのは、経済学そのものではなく、どちらかと言えば、社会学だったと気づいた20年でした。決して、経済学の博士号を取得したのが無意味だったとかではなく、重要な立ち位置を与えてくれた、自分の人生の中で何物にも代え難い何かだったと思います。しかし、今の興味はどうしても経済学的なテーマではなく、社会学的なテーマやアプローチにあると確信しています。

博士号を取得して、就職のために、もっと業績をあげねば、とあせって、結局、もう無理だなと思い、事務職員として就職した後、肩の力が抜けて、思いついたのがネットワークの研究でしたが、圧倒的な先行論文の前、新たなものは無理かと思っていました。実際今ワーキングペーパーとして書き上げたものも、20年間もやもやしていたものを、最近たまた発見して読んだ、とある論文をきっかけに、結果が出せる見込ができ、書いたものです。

子育ても目処が立ち、ようやく自分の時間が少しずつできてきたので、電車内以外でも研究活動ができる状況になりつつあります。

研究とは、職業的という意味での「プロフェッショナル」な人間のみがするものではないと思います。大学が今、大学改革という波に疲弊しているからこそ、プロフェッショナルになるための教育を受けたが、結局プロフェッショナルになれなかった、あるいは、ならなかった人間の存在が、ある意味重要になるのでは、と。

ということで、今日も明日も明後日も、博士号を持っているだけで、毎日失敗だらけの、ただの事務屋ですが、研究を通じての社会に対する思いは持ち続けているつもりです。(2025.8.29)